
第2部:なぜその呼吸は、解除されないのか
「緊張して呼吸が浅くなる」
これは多くの人が経験したことのある感覚だと思います。
でも本当の問題は、
その緊張が終わったあとも、身体だけが“戦場に残り続けている”ことです。
ストレスは去っても、身体は戻り方を忘れる
仕事、対人関係、家庭のこと。
現代人は常に何かに気を張り、無意識に緊張しています。
そのたびに身体は、防御反応として
- 肩をすくめる
- 首を固める
- 喉を締める
- 息を殺すように呼吸を浅くする
という状態に入ります。
問題は、
「もう大丈夫だよ」という合図が、身体に届いていないこと。
呼吸は“自律神経のスイッチ”
呼吸は、唯一自分で操作できる自律神経の入り口です。
本来であれば、
安心できる状況に戻れば自然と呼吸は深まり、
首や肩の力も抜けていきます。
しかし、
- 常に考え事をしている
- 無意識に歯を食いしばっている
- 横隔膜をほんの少し動かすだけの浅い呼吸をしている
こうした状態が続くと、
「緊張が当たり前」な呼吸パターンが固定されてしまうのです。
動かないのに、力だけが入り続ける
肩や首が凝る理由は、
「使いすぎ」ではありません。
動いていないのに、力が抜けない。
この状態こそが、慢性的なコリを生みます。
呼吸が浅いと、
本来呼吸とともに動くはずの筋肉が動かず、
代わりに首や肩が“固定役”として働き続けます。
結果として、
- 血流が悪くなる
- 酸素が届きにくくなる
- 疲労物質が溜まる
という悪循環に入っていきます。
「治そう」とするほど、力が入ることもある
真面目で頑張り屋な人ほど、
「姿勢を正そう」
「力を抜こう」
と意識します。
でもその意識自体が、
さらに身体を緊張させてしまうことも少なくありません。
大切なのは、
力を抜くことではなく、「もう安全だ」と身体が感じること。
その入口になるのが、呼吸です。
次回:呼吸の凍結をほどくという考え方
次の第3部では、
「正しい呼吸法」を押し付けるのではなく、
どうすれば身体が自然に呼吸を取り戻すのか
という視点でお話しします。
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