腰痛(ぎっくり腰、坐骨神経痛、狭窄症、ヘルニア等)

腰痛には様々な原因があります。姿勢からくるもの、筋肉や筋膜の緊張や肥厚から来るもの、筋肉や骨、関節のズレによる神経の圧迫によるもの、股関節が原因となるもの、これらが複雑に絡んでいるもの、等多岐に亘ります。どの症病も基本的に骨、関節、筋肉、神経を元の正しい状態に戻す事で改善させていきます。以下腰痛の原因と種類と治療法を詳しく解説します。

慢性腰痛

一般的に筋疲労による慢性的な腰痛を差します。慢性腰痛を持たれてる方は非常に多く居らっしゃいます。しかしただの慢性腰痛と思っていたら実は軽いヘルニアや軽い狭窄症を起こしている事も良くあります。なぜなら慢性腰痛が長く続く事でヘルニアや狭窄症の原因の一つとなるからです。慢性腰痛と諦めずに一度当院に御相談下さい。関連する筋肉は脊柱起立筋、腰方形筋、多列筋等になります

ぎっくり腰

蓄積された筋疲労が頂点に達し筋肉の弾力性や強度が弱まっている状態で朝顔を洗う、下の物を拾う、咳やくしゃみ等の日常の何気ない動作で発症します。
腰背部の筋肉の損傷、肉離れ、また椎間関節の炎症、仙腸関節の炎症によるもの等が考えられます。急性期はコルセットやテーピング、アイスバックで冷やしたり炎症を抑えます。優しい手技でギックリ腰に有効なツボ等を使い患部から離れたところに刺激を与えたり身体の歪みやねじれをソフトに整えて治療をして行きます。

坐骨神経痛

大きく分けて腰椎由来のものと臀部の奥の梨状筋(りじょうきん)と言う筋肉が緊張又は硬直し神経を締め付ける為に痺れ痛みが出るもの(梨状筋症候群)の二つに分けられます。

図のように梨状筋の下を座骨神経が通過するため梨状筋が過度に緊張すると坐骨神経を圧迫し足が痺れるなど坐骨神経痛が発症します。また坐骨神経の走行は人それぞれ若干の違いがあるため梨状筋の影響を受けやすい人、そうでもない人がおり同じ梨状筋の緊張でも人それぞれ症状が変わってきます。指圧、マッサージ、ストレッチ、骨盤矯正、鍼治療等組み合わせて治療をします。

また強い力が腰にかかり腰椎椎間板が圧迫され関節が狭くなり神経を圧迫しシビレが出たり椎間板自体を痛め中の髄核が飛び出し(ヘルニア)神経を刺激し坐骨神経痛が出ることもあります

その為治療はそれらの圧迫を取り除くための筋肉の緊張、固着を取り除くためのマッサージ、ストレッチ、骨盤矯正、鍼治療等になります。

そしてどの部位にシビレや症状が出るかでどのレベルの神経に問題がありどの神経が圧迫されているのか大体の予測が出来ます。それを図式化したものをデルマトームと言います

※デルマトーム

Cは頸椎 C1~C8

THは胸椎 TH1~12

Lは腰椎 L1~L5

Sは仙椎 S1からS5

を各々表します。例えば脛が痺れる場合、腰椎5番の神経が、手の小指側が痺れる場合は頸椎の8番が問題を起こしているとおおよその予測が出来ます。

腰椎椎間板ヘルニアと狭窄症

ヘルニアと狭窄症、どちらも下肢に痺れと痛みが出ますが病態は少し違うものになります。ヘルニアとは何かが飛び出す事を意味し椎間板ヘルニアとは椎間板の中にあるクッションの役割をしているゼリー状の髄核が繊維輪を破って飛び出し脊髄神経を圧迫し痛みや痺れが出る症状を言います。年代的に腰に負担のかかる激しいスポーツをするなど若い世代に多く発症します。反対に60代以降での発症は少ないです。理由として若い世代の方が椎間板の水分量が多く飛び出す髄核の量も多いからだと言われています。前屈や中腰の姿勢をすることで椎間板に圧がかかり髄核の飛び出しが多くなり痛みが酷くなるので避けた方が良いです。ヘルニアを軽くするためにはマッケンジー体操などがあります。治療としてはマッサージや鍼で腰椎へ負担をかけている筋肉の硬直を取り除く適切なストレッチや骨盤矯正で飛び出した髄核を元の位置に戻すなどがあります。

脊柱菅狭窄症とは加齢や強い力が腰椎に繰り返しかかることにより腰椎全体が変形してしまい骨に刺が出来たり靭帯が分厚くなったりして脊髄を圧迫し下肢にシビレや痛みなどの症状を出してる状態の疾患を言います。
特徴としてしばらく歩くと痺れが出てしばらく休むと治ると言う症状を繰り返します。間欠性跛行(かんけつせいはこう) と言います。 基本腰を反らすと症状が強く出るので反らさない方が良いでしょう。治療は鍼治療、マッサージ、骨盤矯正等を組み合わせて丁寧に治療して行きます。

※慢性腰痛の中には軽い狭窄症やヘルニアが含まれている場合があります。

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